カジュアル 経済 #14 ー 税金は「穏やかな罰金」である。
こんにちは! iscandaruです!
前回までの「おカネの正体編」はいかがでしたか? おカネが「情報」だということがわかるだけでいろいろなことが見えてきましたね!
今回からまた新たなシリーズを始めていきたいと思います! 題して…
「税金の真実編」です!
カジュアル☆経済#4では「税金の役割は財源ではない」ということについて触れました。それを踏まえて今回のシリーズでは、その時に触れなかった要素についても踏み込んで説明していこうかなと思っています!
では、今回はシリーズ第一回として"税金のある側面"について考えていきます!
みなさんは「税金」というと、どんなイメージがありますか?
「消費税とか所得税とか有名だよね」
「給料とかから天引きされるからあんまり嬉しくはないかな」
「納税の義務があって、脱税したらヤバいイメージ」
といった印象を抱く方が多いのではないでしょうか? これらをまとめると、
「税金は大切だけどちょっとヤダ」
ということだと思います(笑) 国のために大切なものだとはわかっているけど、余計にお金がとられてしまうから少し抵抗感がある、というのが本音ではないですか?
でもその感覚、「ある意味正しい」んです。 ということでこれから、それが一体どういうことか考えていきましょう! まず、税金に関するデータを確認していきます!
「税金」に関するデータ
- 日本の税金の種類は40種類以上
- 日本の税収のうち、主なものは「消費税」「所得税」「法人税」の3つ
- 2019年度一般会計税収:60.2兆円
ということで「税金」に関するデータでした。日本に40種類以上の税金があるなんて、驚きですよね!
税金の性質
ではこれらのデータを踏まえた上で、「税金の性質」について考えていきましょう! まずは先ほどのイメージを具体化していきます。
基本的に、多くの人の中には「できることなら税金は払いたくない」という感情があるわけですよね。そりゃ、自分が稼いだおカネを取られてしまったら誰でも嫌だと思います。
したがって税金には「取られたくない」という側面が存在することがわかります。
ここでちょっと考えてみると、これに似たようなものが思い浮かびませんか? 例えばそれは「罰金」です。
交通違反など犯罪には「罰金(過料)」が課せられますよね。ではなぜ、犯罪を犯すと「罰金」がとられるのでしょう? それはもちろん「犯罪をさせないため」ですよね。
効果の大小や倫理的な問題は置いておいて、みなさんが犯罪を犯さない理由のひとつは「罰金を払いたくないから」ではないでしょうか。これって先ほどの「税金を払いたくない」と似ていませんか?
つまり何が言いたいのかというと、「税金には"課税される行為"を抑制する効果がある」ということなんです。 わかりにくいかもしれないので、具体例をあげて考えていきましょう。
例えば、たばこにかかる「たばこ税」はどういった効果があるでしょうか? そのひとつには「たばこを買わせないようにする」効果がありますよね。
たばこによって引き起こされる健康問題を減らすために、「たばこ税」がかけられているわけです。したがって、理論的にはたばこ税が上がると「たばこの消費」は落ち込むことになります。
次に、地球温暖化を引き起こす物質とされる「CO2」の排出にかかる「炭素税」(正しくは「地球温暖化対策のための税」)はどのような効果があるでしょうか?
これももちろん、「CO2の排出を抑える効果」がありますよね。
このように、「税金」には「罰金のような側面が存在する」ということがわかるかと思います。
消費税の「罪」
では、日本の税収の中で約35%を占める「消費税」にはどういう効果があるでしょう? 先ほどの流れから言えば当然「消費を抑制する効果」ということになりますよね。
賢明な方はここでお気づきかと思いますが、もし消費税の「消費を抑制する効果」によって消費が落ち込むと何が起きるでしょうか? そう、それは「デフレ」です。
「GDP三面等価の原則」から考えると、「消費」が落ち込むと生産者の「所得」が落ち込むことになり、結果的に国民全体の所得(=GDP)が落ち込んでしまいます。これが引き金となって「デフレ」が発生するんでしたよね。
つまり、消費を抑制する効果を持つ「消費税」は「デフレを発生させる税金」ということになってしまいます。しかも日本は消費税が導入されて以降、その税率は上がり続けていますよね。これによって日本は実際に「デフレ化」しています。
「失われた20年」とも呼ばれる近年の日本のデフレの状況で、現在の消費税の状況って果たして良いのでしょうか…? さらにコロナ禍で「デフレ化」が進み、外国で「税金の引き下げ」が行われるなか、日本はこのままで良いのでしょうか…?
…と、現状を危ぶむのはここまでにしておきますね。以上の話をまとめると、「税金には罰金のような側面があり、特に『消費税』にはデフレを引き起こす作用がある」ということになります。
実は「消費税の罪」はこれの他にもたくさんあるのですが、これについては次回以降に解説していきたいと思います。
税金の「本来の役割」
もしかすると、「税金は国を運営するための『財源』だから、多少税金の負担が重くても仕方がない。」と思われている方がいるかもしれませんね。
お気持ちはわからないんでもないんですが、カジュアル☆経済#4で紹介した通り、税金の役割は「財源」ではありません。 ここでもう一度「税金の役割」について確認しておきましょう。
「税金の役割」
- 景気を安定させるため → ビルトイン・スタビライザー
- 格差を小さくするため → 貧富の差を小さくする
- 所得を再配分するため → 公共サービスはみんなで運営
- 日本円を流通させるため → 税金を集めるときには日本円を使う
- 政策的な目的など → 「炭素税」「たばこ税」など
このように「税金の本来の役割」は「おカネの偏りを小さくするバランサー」の側面が強く、収入としては「集めたからには使おう」程度のものなんですね。注:「税金は重要ではない」という意味ではありません。
ですから、あまりに「税収」を気にしすぎるのはナンセンスです。税金の金額ではなく、インフレ・デフレの状況や、経済成長の具合を見て、適切に税金(税率)を設定していくことが重要です。
以上から、税金は重すぎると罰金の側面が強く出てしまうため、適切な設定をすることが重要だ、ということがわかっていただけたかと思います。
ということで今回は「税金の罰金のような側面」について説明してきました。いかがでしたでしょうか?
「税金は罰金だ」というふうに考えると、税金についてもう少し勉強してみよう、という気になりますよね!
今回からの「税金の真実編」で税金に関するいろいろな問題点について考えていこうと思いますので、是非これからも読みにきてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!