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カジュアル logo mark 経済 #7 ー 止まる日本の「経済成長」

Writer : iscandaru (2021/1/23)

こんにちは! iscandaruイスカンダルです!

今回は前回までの「GDP」「インフレ・デフレ」の知識をフル活用して「経済成長のポイント」について考えていきます!

まずそもそも「経済成長とはなにか」について考えてみましょう!

一口に経済成長といっても抽象的すぎて、ピンとこないですよね。なので「経済成長の定義」をハッキリさせておきたいと思います! ズバリ「経済成長の定義」は

「GDPが伸びること」です!

前々回で学んだGDP、これが大きく「経済成長」に関わっているんですね。ではなぜ「GDPが伸びること」「経済成長すること」といえるのでしょうか?

GDPを考える上で重要だったのは生産=支出=所得を表す「GDP三面等価の原則」でしたよね! これは要するに「誰かの生産は誰かの支出となり、誰かの支出は誰かの所得になる」という"世の中の大原則"でした。

つまり、「GDPが伸びた」ということは「国全体の生産=支出=所得が増えた」ということになります。言い換えれば、モノやサービスの供給能力が上がり、国民の所得も増えたということを表しているんですね。

以上からこの「GDPの伸び」こそが「経済成長」でしょう、ということになるわけですね。

もちろん、GDPが伸びたからといって、すべての国民の所得が上がるということではありませんし、まして「豊かになる」ことを保証するわけではありません。これが唯一正しい定義であるということではないんですね。

ただ、経済を測る指標としてGDPはとても有用であることは間違い無いので、このカジュアル経済ではこの定義を用いて「経済成長」について考えていこうと思います!

経済成長のポイント

では本題です。 経済成長するためにはいったいどうすればいいのでしょうか? それには前回解説した「インフレ」が関係してきます!

前回のエントリーで「適度なインフレ」「投資・開発」を促進する、ということに触れましたよね! 実はこれこそが「経済成長のポイント」なんです!

インフレとデフレ

「適切なインフレ」下では、「需要が供給能力を少し上回る」状態となります。すると、以下のようなプロセスが起こります。

「適度なインフレ」が起こる

需要を満たそうと「投資・開発」が行われる

投資・開発の結果「供給能力」が上がる

GDPが伸び「経済成長」する

実際には他の要因も絡んでくるのですが、簡単に言うと上のような流れで経済成長が起こります。 したがって、経済成長のためには「インフレ」「投資・開発」が必要だということが言えるんですね!

では例えば「デフレ」下では経済成長しないのでしょうか? 結論から先に言うと「しないことはないが、起きにくい」と言えます。 なぜならデフレ下では「需要が少なく、供給能力が余っている」状況ですから、「投資・開発」を行わなくとも供給が間に合ってしまうからです。

さらに言えば「余っている供給能力がムダだ」ということになり、「コストカット」の圧力すらかかってしまうことがあります。これでは「デフレスパイラル」に陥ることはあっても、「経済成長」は起きない…ということは容易に想像できますよね。

以上から、「インフレ」「投資・開発」のふたつがそろったときに「経済成長する」ということになります! では、現在の日本はどういった状況になっているのでしょうか…? 確認してみましょう!

「経済成長」に関するデータ

  • 日本の2018年のGDPは1996年比で1.0倍
  • 同じ基準でのアメリカのGDPの伸びは2.5倍、中国は15.5倍
  • 現在、日本のインフレ率(GDPデフレータ)はほぼ0%
OECD諸国の名目GDP成長率
三橋貴明、「2018年主要国ドル建てGDPの対96年比」(ソース元:IMF)
http://mtdata.jp/data_69.html#zaimu
2018年主要国ドル建てGDPの対96年比
三橋貴明、「主要国のインフレ率(GDPデフレータベース)の推移(対前年比%)」(ソース元:IMF)
http://mtdata.jp/data_64.html#deflator

ということで、現在日本はGDPの伸び率、つまり「経済成長率」が横ばいです…しかもこれは消費税5%へ増税した1997年以降ずっと続いているんですよね。

しかも経済成長に必要な「インフレ率」すら0%(しかも2013年以前はマイナス)ですから、これでは外国に追いていかれてしまっても仕方ありません。 グラフからわかるように、先進国では日本が最低レベルの「インフレ率」そして「経済成長率」となっています。うーん、残念…

なかには「日本経済は成長しきってしまったから経済成長しないのは仕方がない。」とか「日本経済は安定期だからインフレにならなくて当然。」と言われる方もいます。しかし、ここ20年ほどでGDPの規模が倍以上になっているのは何も発展途上国に限った話ではなく、アメリカ・イギリスといった先進国も達成していることなんです。

そんななか、日本の経済成長率はほぼ1倍。ちょっと情けないとすら思ってしまいますよね… 現在はGDPの規模が世界第3位の日本ですが、このままいけばあっという間に外国に追い抜かれてしまうでしょう。

では、なぜ日本の経済成長が止まってしまっているのでしょうか?

これを解明するためには、「日本政府」が大きく関わってきます。 これについて次回は解説していこうと思うのですが、その前にヒントを出しておきたいと思います♪

カジュアル☆経済 #4で、「政府の制約」が「インフレ率」だということに触れました。 実はこれが今回の「経済成長ってなに?編」に深ーく関係してくるんですよね…!

今回のトピックである「インフレ率」がどうして「経済成長」そして「政府の制約」カギとなるのか、次回から大きな伏線回収となります!! 楽しみになってきましたね〜♪(自作自演笑)

というわけで、次回も楽しみながら経済について学んでいきましょう!


最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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