カジュアル 経済 #1 ー 国の借金1000兆円のウソ
こんにちは! iscandaruです。
今回はカジュアル☆経済 #1ということで、「国の借金1100兆円、国民一人当たり900万円の借金」のウソを取りあげたいと思います!
「え、よく聞くけどウソなの!?」と思われる方も多いと思います。そう実はこれ、ウソなんです。 ではどこがウソなんでしょうか…? 「国の借金1100兆円…」ここはいいでしょう。問題はこの次「国民一人当たり900万円の借金」はいちょっと待った〜! ウソ発見ですよ!
「いやいや、だって国の借金1100兆円なんでしょ?それを国民1億2千万人で割ったらだいたい900万円じゃない。」と思われるかもしれません。
でもそもそも、この"クニの借金"を"コクミン"で割るって正しいんでしょうか…?
事実関係をはっきりさせましょう。財務省によると、令和元年度の国債債務残高、つまり「クニの借金」をみてみると次のようになります。
「クニの借金」に関するデータ
- 令和元年度 国債債務残高 1114兆5400億円
- 令和2年度(2020年)は新規国債発行が100兆円近くになるので「クニの借金」は1200兆円を余裕で超える
財務省、「最近10カ年の年度末国債・借入金残高の種類別内訳の推移」より作成
はい。それでは説明していきますね。まずそもそも、「国債」とはなんなのか。
国債は"借金"のひとつで、詳しく言うと
「政府が、日本円で借りているお金」
となります。借金の借り手は政府、返すときのおカネは日本円ということですね。
では、貸し手は誰なんでしょう?
円グラフを見ていただくとわかるように、債権(貸しているお金)が最も多いのは「日本銀行」です。約半分の債権を持っていますね。次に、国内の金融機関、海外、個人と続いていきます。
以上をまとめると、クニの借金の"借り手"が政府、"貸し手"が国内の金融機関(約8割)なので、「政府が、銀行に、お金を返す。」ということになるんですね。
んん? ということは、「クニの借金をコクミンが返す」というのはおかしくないですか? だって正確には「政府が銀行にお金を返す」のですから。
しかも、1番の貸し手である「日本銀行」は日本政府が約55%の株を保有する、言うなれば"政府の子会社"です。親会社と子会社のお金の貸し借りは実質的には借金ではない※ので借金は1100兆円より大幅に小さいことになります。
※「連結決算」という会計上の決まりで、"親会社と子会社のお金の貸し借りは計上されない"ということになっています。
ということは、最初は正しいと思っていた「国の借金1100兆円」もウソだったことになります…! あれれ〜おかしいぞー?
「いやいや、半分でも500兆円以上あるじゃないか!しかも、"政府"ってのは国民が選挙で選んだ議員が運営しているんだから、『政府の借金=国民の借金』ってことだろ!」
…と思われる方もいるかもしれません。しかし、『政府の借金=国民の借金』というのは少し考えてみるとヘンなんです。
まず、『政府の借金=国民の借金』ならば、政府が借金をした時、あなたの借金も増えることになりますよね? ここで矛盾が生じます。ちょっとある出来事を思い出してみましょう。そう2020年コロナ禍における「10万円給付」です。
あのとき、全国民に10万円が給付されましたが、財源はなんだったのかご存知でしょうか?
実はあの10万円給付は「新規国債」を財源に、「補正予算」を組んで行われたんです。
つまり、新規国債を発行して(=政府の借金を増やして)、国民に配り、その結果みなさんの持つお金が10万円増えたわけです。 もし、『政府の借金=国民の借金』ならば、政府が借金したとき、皆さんの預金(お金)が借金によって"減る"はずですよね?
ということは、『政府の借金=国民の借金』というのはマチガイだということがわかります。政府の借金はあくまで"政府の"借金、決して"国民の"借金ではないのです。
はい、ということで最初に戻ると、「国の借金1100兆円、国民一人当たり900万円の借金」というのはウソだ、ということがお分かりになったのではないでしょうか?
でも正直、まだ納得のいかない方もいると思います。
「『政府の借金=国民の借金』じゃないことは分かったけど、それでも借金あるんでしょ? なんか不安だな…」
「今は大丈夫だけど、将来このまま借金が増え続けていったら破綻しちゃうんじゃないの?」
「毎年税金から国債を返してるんでしょ?やっぱりこの借金は国民が負担するものなんじゃないの?」
など思われる方もいると思います。しかしそれも実は"あること"を理解すると、たちどころに真実が見えてくるんです…!
その"あること"も含めて、今後のカジュアル☆経済で解説していきますので、ぜひこれからも読んでくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!