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カジュアル logo mark 経済 #9 ー 日本の本当の財源

Writer : iscandaru (2021/1/28)

こんにちは! iscandaruイスカンダルです! 今回は「経済成長ってなに?編」の最後のエントリーとなります!

前回は「経済成長のカギ」として「政府の役割」について考えましたね。 それを踏まえて今回は「日本の本当の財源」について考えていきます!

「日本の財源って…そりゃ税金でしょ?」

と、一般的には思われていますが、カジュアル☆経済の読者の方はもう「それは違う」ということがわかっていらっしゃるかと思います。 これはカジュアル☆経済 #4で解説しましたが、税金は「財源」よりもっと重要な役割があるんでしたよね!

では「日本の本当の財源」ってなんなんでしょうか? これはいままでの「経済成長ってなに?編」をふりかえるとわかってきます!

「日本の本当の財源」

「財源」というとどうしても「おカネ」のイメージがつきまといます。だからこそ「財源=税金」という考えになってしまうのですが、これは「マチガイ」です。

なぜなら「政府の制約」はいままで考えてきた通り、「おカネ」ではなく「インフレ率」だからです。

つまり「需要が大きくなりすぎて供給能力が間に合わず、国民がモノやサービスを買えなくなる状況」がマズいのであって、「おカネを使う」こと自体は問題ではないんですね。

ですから、おのずと政府の制約は「インフレ率」となるわけです。 ここまではもう完璧ですよね!

いままでの話をしっかり理解していただけたみなさんなら「日本の本当の財源」とは何か、もうわかるはず!

そう、「本当の財源」とは国民の需要をみたす「供給能力」だったんです!

国の財源1(財源研究室)
国の財源2(財源研究室)
財源研究室より引用

では具体的に「供給能力」とは何か、掘り下げて考えてみましょう! そんなに難しいことではありません。

例えば、農家さんや漁師さんといった、いわゆる「第一次産業」に携わる方はイメージしやすいですよね! そうした方々は自然から農産物や畜産物、海産物を私たちに"供給"してくださっています!

ただ、そうした方々だけでは、新鮮な食べ物が私たちの食卓に並ぶことはありません。

それを加工する人、運ぶ人ももちろん「供給能力」を持っていますし、運搬するトラックを製造する人、ガソリンを輸入する人、加工する包丁を作る人、スーパーでレジを打つ人…というふうにたくさんの人が繋がり、それぞれ「供給能力」を持っています。

もちろん、「第一次産業」だけではありません。アーティストや都会のビジネスマン、それを支える家族といったありとあらゆる産業に関わる人が「供給能力」の担い手です。

こうして考えてみると、私たちの生活を支えているのは他でもなく、この国に住んでいる私たち自身だということがわかりますよね!

したがって「日本の本当の財源とは何か」の答えをひとことで言いあらわすなら、

「働くわたしたち」こそが「供給能力」であり、「本当の財源」である。

ということになります! これで全ての点が繋がり、一本の線になりましたよね!

さらに言うなら、そうした供給に必要不可欠な、日本の自然環境、そして、道路や送電網といったインフラも「供給能力」の一部です。※ 国富といいます。

以上の話をまとめると、GDPが増えることで起きる経済成長のためには、インフレが必要で、その大きな需要を満たすための「供給能力」こそが「日本の本当の財源」である、ということになります。

さらに、そのためには「政府の支出」が必要不可欠ですし、その制約は「おカネ」ではなく「インフレ率」だということが理解できれば、もうバッチリです。

デフレがもたらす「国家の崩壊」

インフレとは逆に、需要が少なく「コストカット」の圧力によって供給能力が失われてしまう「デフレ」の状況はかなりヤバイ状況です。 なぜなら、「供給能力」という「財源」が失われていってしまうのですから。

しかも、日本は地震、台風、火山などが毎年のように被害をもたらす「災害大国」です。 こうした災害はたった数日、数時間でわたしたちが積み上げてきたインフラや資本といった国富、供給能力を破壊していってしまいます。

もし、デフレが続き供給能力が減り続けている状況で、今までに経験したことのないような「大災害」が起こってしまったら… 供給能力に余力がないため、一瞬でモノやサービスが枯渇してしまい「過度なインフレ」となってしまいます。

デフレが引き起こす国家の崩壊

想像しただけで恐ろしいですよね。 ですから、「デフレ脱却」は絶対に必要ですし、国民を守るための「災害対策」を政府が主導で、おカネにとらわれずにやっていく必要があるんです。

コロナ禍で2020年の4-6月期GDPが8%近く失われ、回復のきざしも見えない現状では、デフレがどんどん加速してしまうでしょう。だからこそ、私たちが声を上げて「政府の支出」を求め、「デフレ脱却」に向かうことが必要なのではないかと思います。

他でもない、国民という財源を守るために。


ということで今回は「日本の本当の財源」について考えてきました! いかがでしたでしょうか?

これで「経済成長ってなに?編」は完結になります! たくさんの知識を理解する必要があって大変だったかもしれませんが、今までの話がわかればある程度経済の話題についていけると思います!

カジュアル☆経済ではこれからも、経済について「事実に基づいて見通し良く」解説していきますので、これからも読みにきてくださいね!


最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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